年商5億円未満、地方の中小企業の「ヒト・モノ・カネ」の問題をマーケティングで解決する“あなたの会社のマーケティング責任者(CMO)”、小林顕裕(@KOBAKI14)です。
地方の中小企業にとって、新規の顧客や見込客を増やすことはとても大切です。でも、簡単ではありません。なぜなら、地方では人口が減り、競争も激しくなっているからです。
しかし、諦めるのはまだ早い。ちゃんとお客さんがいるところに投資すれば、効果的な集客ができます。このガイドでは、地方の中小企業が実践できる具体的な方法をご紹介します。
地方の中小企業が直面している課題
地方の中小企業は、いくつかの課題に直面しています。
人口減少による影響
地方では人口が減り続けています。そのため、なにもしなければ、顧客の数も自然と減っていきます。人口が減れば、当然ですが見込客も減っていきます。そうなれば、売り上げも下がっていく…という、負のスパイラルに陥ってしまいます。
地元の競合との差別化の難しさ
当然ですが、同じ地域に、同じような商品やサービスを提供する会社が多くあります。
マーケティングをちゃんとしていない場合、競合との差別化は“価格”になっていきます。そうなると、利益を圧迫して、売上は立つけど、利益がない…みたいなことになりかねません。
このような課題を解決するためには、正しいマーケティング戦略を持って、人口減でもできる新規集客を早くから実践していくことが必要となのです。
効果的に新規集客をする方法
ではここから、地方の中小企業が、無駄のない投資で効果的に集客するための具体的な方法をお伝えしていきます。
1. 特化型ホームページの作り方
今の時代、ホームページで集客することは必須です。ホームページを持っていない、ということは、インターネット上に存在していない、ということです。
なので、ホームページを持っていない会社、もしくは数年前から更新していない会社は、すぐにホームページを作りましょう。
その際のポイントは、“特化したホームページ”を作ることです。いわゆる“ニッチ戦略”というものになります。
例えば、
地域×業種
例)静岡県富士市の初めて自宅の外壁塗装をする方のための外壁塗装会社
No,1×業種
例)石川県穴水市で唯一のコーヒー専門店
のように、2つ以上のものを掛け合わせることで、よりニッチなポジションを取りやすくなります。
また、1つのホームページで全ての事業を網羅するのではなく、1ホームページ1事業にすることで、あなたの会社が「何屋さん」なのかを、明確に理解してもらえるようになるでしょう。
2. SNSを使った情報発信
SNSは費用をかけずに効果的な情報発信ができるツールです。以下の点を意識しましょう。
- Facebook、Instagram、X(旧Twitter)など、自社のお客さんが多く使うSNSを選ぶ
- イベント情報や季節の話題を決まった曜日の決まった時間に投稿する
- ハッシュタグを活用する
SNS集客、成功のポイントは“継続”です。質の高い情報を、欠かさず提供している、ということで、初めて信頼が生まれます。
継続しないのであれば、最初からやらない方がいい、ということです。
3. お客の声を活用する
あなたの会社の商品・サービスを信頼してもらうための、一番の情報は「お客の声」です。なので、定期的に顧客インタビューを実施して、ホームページやSNSで公開するようにしましょう。
また、実際の店舗の場合は、Googleマップの口コミを積極的に書いてもらうための施策をするのも1つの方法です。
とにかく、お客の声に勝るエビデンスはありませんので、ここは仕組み化するようにしましょう。
4. 地域イベントやコミュニティ活動への参加
地方の中小企業の場合、地域との繋がりを深めることで、新しいお客様との出会いが生まれます。
- 地元のお祭りやイベントに出店する
- 地域のボランティア活動に参加する
- 地元の学校や団体と協力して勉強会を開催する
- 地域の清掃活動や環境保護活動に参加する
こういった活動を積極的に行うことで、認知が広がり、見込客の創出に繋がります。
また、地方の場合、早くからこういった活動を行っておくことで、将来的な採用につながるケースもあるので、集客と人材の問題を解決することが可能です。
お店とインターネットを上手に連携させる方法
ここからは、オンラインでの集客だけではなく、オフラインを絡めた集客もご紹介します。
5.社長や社員を顔出しでホームページやSNSに登場させる
抵抗がある人もいるかもしれませんが、実際にホームページやSNSで顔を出すことは重要です。
なぜなら、新規の顧客との商談の際に、相手からすれば
「この人、見たことがある」
と感じてもらえるからです。
全く初対面なのに、相手が親近感を持ってくれる、というのは、とても大切なポイントです。
もちろん、嫌がる社員を登場させる必要はありませんし、肖像権の問題などをクリアにする必要はありますが、地方ではまだまだ、直接訪問→契約の流れが主流なので、ぜひ、顔出しをしてみてください。
6.テレアポやFAXDM
古いと感じるかもしれませんが、まだまだテレアポやFAXDMを活用することで、見込客を集めることが可能です。
ポイントは、「最初から営業しない」ことです。
まずは、接点を持つために、無料の“断れない”プレゼントを案内するということ。
よく、私の電話にも、ウォーターサーバーの営業電話がかかってきますが、どこの会社も最初のプレゼントは「1年間サーバー代無料+お水のボトル3本プレゼント」が相場です。
が、これは断れるプレゼントです。なぜなら、一見お得に見えて、お水3本は1ヶ月ほどで無くなってしまうからです。
予算の都合にもよりますが、「サーバー代永久無料+お水のボトル30本プレゼント」とかだったら、絶対に断られないでしょう。
これは極端な例ですが、一瞬でお客さんの心を惹くような、魅力的なオファーを作りましょう。
オファーについては、こちらでも解説しています。
関連記事:断れないオファーの作り方(準備中)
お客様の情報を活用して売上を伸ばす方法
ここからは、新規集客とは少しずれますが、地方の中小企業の勝ち筋となるのが、「一人の顧客といかに長く付き合えるか?」ということです。
これは、マーケティング用語で「ライフタイムバリュー(LTV)」と呼ばれるものであり、お客さんがあなたの会社に「いくら使ったのか?」ということになります。
実際、新規集客よりも、LTVを伸ばす方が、時間的にもコスト的にもかかる手間は削減できます。
LTVに関しては、こちらでも解説しています。
関連記事:【保存版】中小企業のLTV向上マニュアル|年商3億から5億円に成長した3つの戦略(準備中)
ここでは、どうやってLTVを伸ばすのか。基本的な戦略について解説します。
7. 無料で使えるお客様管理ツールの紹介
LTVを上げるためには、そもそも顧客情報を管理する必要があります。そのためのツールもありますが、まずは以下のように、無料で使えるツールでもOKです。
- Googleスプレッドシートで顧客管理
- いつのタイミングで何を送るかの明確化
- 郵送orメール、LINEなどで定期的な連絡を行う
たったこれだけのことでも、次に紹介することを把握することができるようになります。
8. お客様の情報を分析して活用する基本
集めた情報を効果的に活用しましょう。
- お客様の購買パターンを分析する
- 年齢層や性別ごとの好みを把握する
- 繰り返し来店するお客様の特徴を見つける
- お客様の意見を商品開発に活かす
実践するための具体的な手順
ここからは、どうやって実行していくのか。具体的なステップをお伝えしていきます。
今の状況を確認して目標を立てる
1. 今の売上と会社の状況を確認する
- 過去1年間の売上の動きを月ごとに確認
- お客様一人あたりの使ってくれる金額を確認
- どの商品やサービスが一番売れているかを確認
- 新しいお客様と、いつも来てくれるお客様の売上の割合を確認
- 新しいお客様を1人獲得するのにかかる広告費を計算
- お客様が来店する時期や、イベントがある時の売上の違いを確認
2. 達成したい目標を具体的に決める
- 全体の売上目標(例:今の月の売上1,000万円を半年で1,200万円に)
- 新しく来店するお客様の数(例:今の月20人を30人に)
- お客様一人あたりの買い物金額(例:今の15,000円を18,000円に)
- また来てくれるお客様の割合(例:今の35%を50%に)
- SNSの見てくれる人の数(例:Instagramのフォロワーを3ヶ月で1,000人増やす)
- お客様からの評価の数(例:Googleの口コミを毎月10件増やす)
3. 自社の得意なことと苦手なことを理解する
- 得意なことの確認
- 他社にはない特別な技術やノウハウ
- 他社にない商品やサービス
- お店の場所や営業時間の良い点
- スタッフの持っている資格や特別な技術
- お客様から喜ばれているポイント
4. 苦手なことの確認
- お客様から改善してほしいと言われていること
- 他社と比べて足りていない部分
- 社内の仕事の進め方で困っていること
- 人手不足や技術不足の部分
- 設備や道具で困っていること
計画を立てて実行する
1. やることの順番を決める
- 計画づくり
- 3ヶ月後、6ヶ月後、1年後に達成したいことを決める
- 必要なお金を計算する
- それぞれの作業にかかる時間を見積もる
- 失敗しそうな部分とその対策を考える
- やることの順番を決める基準
- 使ったお金に対してどれだけ効果が出そうか
- すぐに始められるか
- すぐに効果が出そうか
- 必要な人手とお金はどれくらいか
- 今の仕事にどれくらい影響があるか
2. 誰が何をするか決める
- 責任者を決める
- 全体を管理する人を決める
- それぞれの仕事の担当を決める
- 誰がどこまで決められるかを明確にする
- 誰に報告するかを決める
- 仕事の分担を決める
- 各担当の仕事の範囲を書き出す
- 必要な技術や知識を確認し、勉強会を計画する
- 担当が休んだ時の代わりの人を決める
- 外部に頼む仕事を決める
3. いつまでに何をするか決める
- スケジュールを作る
- 週ごと、月ごとにやることを決める
- いつまでに何を達成するか期限を決める
- 準備の時間を十分に確保する
- 忙しい時期と暇な時期を考えて調整する
- 進み具合を確認する方法を決める
- 週1回の確認会議を決める
- 報告の仕方を決める
- やることを管理する道具を決める
- 問題が起きた時の対応の仕方を決める
効果を確認して改善する
1. 定期的に結果を確認する
- 数字で見る確認(週ごと/月ごと)
- 目標の売上に近づいているか
- 新しいお客様は増えているか
- お客様一人あたりの買い物金額は変わったか
- SNSを見てくれる人は増えたか
- 問い合わせの数は増えたか
- どの商品やサービスが売れているか
- お客様の反応を確認
- お客様の意見や感想を集める
- スタッフの実施状況を確認する
- 世の中の変化を確認する
- 他社の動きをチェックする
2. うまくいかないことは原因を探る
- 問題点を探る手順
- 目標と実際の差を確認する
- 思ったような効果が出ない理由を考える
- 世の中の変化が影響しているか確認する
- やり方に問題がなかったか確認する
- 人手やお金は足りていたか確認する
- 改善方法を考える
- 別のやり方を考える
- 追加で必要な人手やお金を計算する
- スケジュールを見直す
- 目標が適切だったか確認する
3. うまくいったことはさらに伸ばす
- 成功した理由を探る
- 効果が高かったやり方を確認する
- なぜうまくいったのかを考える
- 他のことにも使えないか考える
- うまくいった方法を記録する
- さらに良くする計画を立てる
- 成功したやり方を他でも試す
- 必要な人手やお金を増やす
- もっと良くする方法を考える
- 新しい目標を立てる
4. 改善の仕組みを作る
- 確認する間隔を決める
- 毎日チェックすること
- 週1回確認すること
- 月1回まとめて確認すること
- 3ヶ月に1回全体を見直すこと
- 改善を続ける仕組み
- 困っていることをリストにする
- スタッフの改善案を集める仕組みを作る
- うまくいった方法を社内で共有する
- 定期的に勉強会を開く
まとめ:継続的に新しいお客様を増やすことが地方の中小企業が生き残る道
新しいお客様を増やすには、継続的な努力が必要です。一度や二度の取り組みで大きな変化は起きません。しかし、地道に取り組めば、必ず結果は出ます。このガイドを参考に、自社に合った方法を見つけ、実践してください。
もし、新規集客のお手伝いに興味がある方は、お問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。
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