年商5億円未満、地方の中小企業の経営課題(ヒト・モノ・カネ)をマーケティングで解決し、地域No.1企業にするマーケティングコンサルタントの小林 顕裕(@KOBAKI14)です。
「原材料費が上がったから値上げします」
この一言、つい口にしていませんか?
しかし、それが売上ダウンや顧客離れを引き起こす“間違った値上げ”かもしれません。
物価高が続く今、中小企業も価格改定を迫られる場面は増えています。
だからこそ、「どう値上げするか?」が経営を左右する重要な判断になります。
この記事では、中小企業が実践すべき正しい値上げの方法と、絶対に避けたい間違ったやり方について、具体的に解説します。
「原材料費が上がったから」はNGワード
我が家では、ちょっと甘いものが欲しくなったときの定番が「明治のチョコレート効果」でした。
ところが最近、妻がこう言いました。
「値上げされて1,000円以上するから、もう買わないことにした」
このように、ただ値上げするだけでは、商品価値まで下がってしまうのです。
値上げの背景を“言い訳”にしない
中小企業にとって、原材料費の高騰は確かに死活問題です。
利益が削られ、資金繰りにも影響が出るため、値上げは避けて通れません。
しかし、ただ
「仕入れが高くなったので、値上げします」
と伝えると、顧客はこう感じます。
「またか…」
「じゃあ、もっと安いところ探そう」
「前の価格で買えたのに損した気分」
結果として、顧客離れが加速し、売上は減少。
値上げのつもりが逆に経営を圧迫してしまうのです。
正しい値上げは「お客様のメリット」で伝える
では、どうすれば顧客離れを防ぎながら、価格を引き上げることができるのでしょうか?
ポイントは、値上げの伝え方を“価値の再提案”に変えることです。
たとえば、
- A商品とB商品を単品では値上げ
- でも、「A+Bのセット」でお得な価格を新設
すると、単品価格では「高くなった」と感じる人も、
セット購入では「お得感」を感じる構造が生まれます。
この結果、
- 客単価が自然に上がる
- 顧客満足度もキープ
- 利益率が下がっても、利益総額はアップ
中小企業は“額面通り”の値上げを避けよ
大企業なら、「値上げします」の一言でも一定の売上を維持できるかもしれません。
しかし、中小企業が同じやり方をすると、価格競争に巻き込まれ、自らの首を絞めることになります。
中小企業が取るべきは「伝え方の工夫」や「価格設計の柔軟性」です。
- セット化
- サブスク化
- プレミアム版導入
- 小容量・小ロット対応
など、“高く感じさせない価格戦略”が必要です。
まとめ:値上げは「悪」ではない。問題は“伝え方”
- 値上げを「原価上昇のせい」にすると、顧客は離れる
- 値上げを「新たな価値提供」として伝えれば、納得される
- 中小企業は、価格の上げ方より「伝え方」と「組み立て方」が重要
今こそ、価格に工夫を加え、ピンチをチャンスに変える戦略的な値上げを進めましょう。
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